創立122年を迎える私立百花王学園。政財界の有力者の子女が多数通う、伝統と格式ある名門校だ。この学園で生徒の階級を決めるのは“ギャンブルの強さ”のみ。勝者には地位と名誉が与えられ、敗者は財産も尊厳も奪われ、男は「ポチ」、女は「ミケ」として家畜同然に扱われる。この学園の二年華組に一人の少女が転校してくる。蛇喰夢子(浜辺美波)という名のお淑やかな美少女だ。色めき立つ男子生徒を横目に、華組一のギャンブラー・早乙女芽亜里(森川葵)が夢子に勝負を持ちかける。夢子の学校案内を任されたクラスメイト・鈴井涼太(高杉真宙)は、以前、芽亜里との勝負に敗れ、「ポチ」として虐げられた経験から、誘いに乗らないよう諭すが、夢子は嬉々として応じてしまう。勝負は「投票ジャンケン」というオリジナルゲームで行われることに。チップ1枚のレートは1万円。一回の勝負で数百万単位の金額が動く常軌を逸したゲームだ。鈴井の恐れた通り、芽亜里の優勢でゲームは進み、誰もが夢子の破滅を予想したが、彼女には隠された顔があった―。
夢子(浜辺美波)の転校初日におこなわれた芽亜里(森川葵)との「投票ジャンケン」対決は予想外の結末を迎え、その幕を閉じた。夢子の真の顔を垣間見た鈴井(高杉真宙)は、恐れながらも彼女の存在に魅かれていく。そして、鈴井から夢子に百花王学園の秘密が語られる。この学園が今のように狂ってしまったのは、2年前、現生徒会長が就任し、会長を頂点とした生徒会がギャンブルで学園を支配するようになってからだという。だが、警告するつもりだった鈴井の意図とは裏腹に、夢子は、これから始まる規格外の学園生活に目を輝かせる。そんな中、夢子と鈴井の前に一年生の皇伊月(松田るか)が現れる。一見すると天真爛漫なこの少女、実は生徒会の役員だった。夢子の噂を聞き、勝負を持ちかけにきたのだ。しかも、提示してきた賭け金は、2000万円。夢子は、この常軌を逸した勝負を受けるのか―!?
皇(松田るか)と勝負をすることになった夢子(浜辺美波)が挑むゲームは「ダブル神経衰弱」。トランプ2組、計104枚のカードを使い、数字とマークの両方を当てなければならない高難度のオリジナルギャンブルだ。さらに、皇はこのゲームに負けたことがないという。夢子にとっては圧倒的不利な状況でゲームは始まった。常人では考えられない記憶力をみせる二人はダブル神経衰弱を着実にクリアしていき、勝負は拮抗しているように見えた。だが、皇はこのゲームにある罠を仕掛けていた。夢子がその罠に足をかけたとき、皇は倒錯した狂気の一面を見せ始める。さらに、ベールに包まれていた生徒会役員たちも、遂にその姿を現し、百花王学園は夢子を中心に蠢き始めていた・・・。
鈴井(高杉真宙)に学園を案内される夢子(浜辺美波)は、ある場所で足を止める。そこは泰然庵と呼ばれる和室で、「伝統文化研究会」が賭場を開いているという。鈴井の制止を振り切り、賭場に足を踏み入れる夢子が目にしたのは、鬼気迫る表情を浮かべる芽亜里(森川葵)の姿。夢子に敗北して以来、転落の一途を辿る彼女は、最下層の家畜「ミケ」にまでその身を堕としていたのだ。追い詰められた芽亜里は一発逆転を狙い、生徒会役員に公式戦を挑んだのだ。公式戦とは、ポチ、ミケに与えられた唯一の権利で、一度だけ誰にでもギャンブルを挑むことができ、相手はその勝負を拒むことが許されない。さらに、相手が生徒会役員の場合、賭け金は青天井に吊り上げられる。芽亜里が選んだ相手は「伝統文化研究会」の西洞院百合子(岡本夏美)。和服に身を包み、一見すると大和撫子の様相だが、心の奥は読み取らせない曲者だ。二人が対峙するギャンブルはオリジナルゲ―ム「生か死か」。憎き夢子が見守る中、芽亜里は起死回生の一手に出る―!
伝統文化研究会会長の生徒会役員、西洞院(岡本夏美)と対戦することになった夢子(浜辺美波)。勝負するのは西洞院が芽亜里(森川葵)に4960万のマイナスを与えて葬り去った危険なゲーム「生か死か」。表面上は丁半博打とルーレットを掛け合わせたようなルールだが、それだけではなく、このゲームには文字通りプレイヤーを「生」か「死」、いずれかの末路へ導く恐ろしい仕掛けが秘められている。さらに、勝負の賭け金は4000万円。敗れれば、どん底への転落は必至。だが、興味本位で勝負を受けたかのように見えた夢子は、どこか様子が違っていた。芽亜里との勝負で西洞院が仕組んだ罠を見抜いているかのようだ。夢子は西洞院にこう言い放つ。「あなたは人間としては下の下」だと。生徒会役員への暴言に焦る鈴井(高杉真宙)をよそにゲームは進行していく。そして、夢子が西洞院に勝負を仕掛けたとき、思わぬ来訪者が突如現れる・・・。
生徒会副会長の乱入により、西洞院との勝負に敗れ、3億1000万円の借金を背負い、ミケ落ちした夢子(浜辺美波)に生徒会から「人生計画表」というファイルが届けられる。そこに書かれているのは、結婚、出産など、夢子の将来を予見したような内容。それはつまり、生徒会に人生のすべてを支配されることを意味していた。そんな中、生徒会が主催する「債務整理大集会」開催が告げられる。集会にかけつけた夢子と鈴井(高杉真宙)が目にしたのは、会場でごった返す家畜生徒と、檀上で熱弁をふるう生徒会役員、五十嵐清華(中村ゆりか)。五十嵐は「借金つけかえゲーム」の実施を宣言。4人1組でギャンブルを行い、順位に応じて借金がつけかわり、1位になれば借金が免除されるという。夢子と相対するのは、家畜生徒をいたぶることに快感を覚える不良生徒、木渡潤(矢本悠馬)と、木渡に家畜として飼われる女子生徒、蕾奈々美(松本妃代)、そして、ミケ脱出を図りゲームに参加した芽亜里(森川葵)。4人がおこなうのはオリジナルゲーム「二枚インディアンポーカー」。借金免除を賭けた、四つ巴のバトルが幕を開ける!
借金免除を賭けて始まった「二枚インディアンポーカー」。このゲームは、額にかざし対戦相手に開示する「公開カード」と、自分だけが確認できる「非公開カード」の組み合わせで“賭ける”か“降りる”かを決める心理戦。借金の額に応じてチップのレートが決まる。夢子(浜辺美波)と芽亜里(森川葵)の対戦相手、木渡(矢本悠馬)は友人にわざと借金をして参加しているという。本当の目的は家畜生徒をいたぶるためだという最低のサディストだが、一方で確かな洞察力を備える強力なギャンブラーだ。さらに、木渡は蕾(松本妃代)という自らが支配している家畜生徒をゲームに参加させている。そして、木渡、蕾の借金は少額。勝負は夢子と芽亜里にとって圧倒的に不利な条件だ。ゲーム中も家畜生徒をののしり、嘲る木渡。勝負のペースは彼が掴んでいるように思えたが、夢子と芽亜里は、この勝負に前代未聞のある“一手”を仕掛けようとしていた・・・。
「債務整理大会」が終了し、1位となった芽亜里(森川葵)は借金を全額返済、勝ち分として2億5000万円を手にする。芽亜里はその金を「二枚インディアンポーカー」で共闘した夢子(浜辺美波)に渡し、借金返済に充てるよう促す。だが、夢子はその金で借金を返済するつもりはないようだ。夢子が狙うのは生徒会長との公式戦。借金を完済してしまうと、公式戦の権利はなくなってしまうのだ。「金」を行動原理とせず、ギャンブルの「リスク」を追い求める夢子の存在はやがて、この学園を支配する生徒会にも影響を及ぼし始めていた。夢子により皇(松田るか)、西洞院(岡本夏美)の二人の生徒会役員が醜態をさらし、揺らぐ生徒会。そんな中、会長への服従を誓う五十嵐(中村ゆりか)、無邪気な顔だが得体の知れない少女、黄泉月るな(三戸なつめ)を出し抜き、次期生徒会長の座を狙う野心家の生徒会役員、豆生田楓(中川大志)が動く。彼が選んだ刺客は生徒会一危険なスリル狂、美化委員長の生志摩妄(柳美稀)。遂に、生徒会の毒牙が夢子を襲う!
妄(柳美稀)に拉致された夢子(浜辺美波)と鈴井(高杉真宙)は美化委員の特別聴取室へ連れてこられる。そこで妄は夢子にあるギャンブルを持ち掛ける。そのゲームの名は「ESPゲーム」。対戦する二人がいる部屋とディーラーがいる部屋の2部屋を使うギャンブル。5枚のそれぞれ違う絵柄のカードをディーラーがどう並べるかを予想するシンプルなカード当てゲームだ。だが、このゲームのペナルティは狂っていた。賭けるのは“金”ではなく“命”。勝者は敗者に向かって実弾入りの拳銃の引き金を引くという常軌を逸したものだった。夢子を危険な目に合わせまいと必死で止める鈴井だが、案の定、彼女はこの勝負を快諾する。ただし、夢子は勝負を受けるに当たり、三つの条件を提示する。一つは「ディーラーは鈴井がおこなう」、もう一つは「敗者は勝者に10億円支払う」、そして最後は「勝負は3セット」とすること。渋々条件を飲む妄。ついにESPゲームが始まろうとしたとき、夢子は鈴井にそっと囁く。「あれをサインにすれば勝てます」と。
夢子(浜辺美波)に妄(柳美稀)という恐るべき刺客を放った生徒会役員、豆生田(中川大志)は、さらなる策謀を張り巡らせていた。彼は生徒会室に芽亜里(森川葵)を呼び出し、驚きの提案を持ちかける。一方、遂に開始された狂ったギャンブル、ESPゲーム。「100%引き分け宣言」をした夢子に対し、ディーラーの鈴井(高杉真宙)は夢子が言ったサインの「あれ」に全く見当がつかずパニック状態に。第1セット、ゲームに敗れるも被弾を免れた夢子は続く第2セット、勝利する。だがこのゲーム、勝利しても人殺しになる恐ろしいリスクをはらんでいる。拳銃を妄に向ける夢子。究極の命のやりとりに恍惚の表情を浮かべる妄。勝負の行方は―?そして、突如現れた謎のギャンブル狂、蛇喰夢子を中心に、この私立百花王学園はどこまで狂った世界と化していくのか―!?